壬生義士伝~家族のために分を全うした男の生きざまに号泣~
第十三回柴田錬三郎賞受賞作品。
中井貴一さん主演で映画化もされました。
この物語に出てくる男たちは、主人公の言葉を借りると、
それぞれの分を全うしておりとにかく格好いい!
今までで一番泣けた作品です。
あらすじ
慶応四年、大阪にある盛岡南部藩の蔵屋敷に鳥羽伏見の戦いで敗れた
新選組の男が満身創痍で現れます。
男の名は吉村貫一郎。
かつて南部藩を脱藩した男で主家への帰参を願い出ます。
おりしも蔵屋敷にいたのは吉村のかつての組頭であった大野次郎左衛門。
大野は屋敷を招き入れるが、切腹を命じる。
部屋に入り切腹までの時間、吉村はなぜ脱藩したのかを思い返すのでした。
かつて藩では先生と呼ばれた男でしたが、
とにかく銭がなくその日の飯も食べれないほどでした。
ある日、妻が食い扶持を減らそうと入水自殺を図ろうとしたことから
吉村は脱藩を決意し、新選組に身を投じます。
剣の腕前はぴか一ですが、とにかく銭に汚い吉村という男。
斎藤一はそんな吉村を軽蔑はしますが、
なぜか彼を嫌うものは一人もいなかったのでした・・・。
読後感想
脱藩した後、切腹になるのが分かりながらなぜ戻ってきたのか。
切腹を命じる大野次郎左衛門の想いにも泣かされます。
本当に出てくる登場人物全てが心の中に一本の筋が通っており格好いい。
人間の真の強さに慟哭せずにはいられない作品です。
もうどこをとっても泣ける作品。
浅田次郎さんおそるべし!!です。
私のつたない文章力では語りつくせない感動があるので
ぜひ手に取ってお読みくださませ。
自分ではどうしようもない運命に抗いながらも
ここまで分を全うできるのはやっぱり人間の素晴らしいところだと
こんなにも素晴らしい強い男もいるのだと、
号泣できること間違いなしです。
泣きすぎて目が腫れてしまうので、次の日に予定がない日にお読みください。