本のガイドブログ~貴方の気分に添える本をご紹介~

年間数百冊×年齢(アラフィフ・・・)を読破してきた不二ちゃんことワタクシが楽しい気分、泣きたい気分、感動したい気分、家族愛な気分などそれぞれに合った気分の本を独断でご紹介いたします。

ジェノサイド~ハリウッド映画のようなスケール間にページをめくる手が止まらない~

高野和明「ジェノサイド」


2012年このミステリーがすごい!1位作品。
惜しくも受賞は逃しましたが、第145回直木賞の候補にも挙がりました。

途中、目を背けてしまいたくなるほどの虐殺場面などもありますが、
どういう結末になるか読む手が止まらなくなります。


あらすじ


ジョナサンイエーガーは元グリーンバレーで
今はイラク民間軍事会社に勤める傭兵。

イエーガーには余命一か月と宣告された息子がいて
その息子を治すためには大金が必要です。

そんなイエーガーの弱みに付け込むかのように
ある危険な任務が舞い込みます。

息子の病気が治せるほどの破格の報酬。
背に腹は代えられないイエーガーは承諾します。

任務の内容は第一次アフリカ大戦が行われている
南アフリカ共和国に潜入し、
危険な病に取りつかれたとされるピグミー族を駆除し、
「これまで見たこともない生物」に遭遇したときは
その生物を排除するというものでした。

これこそ人類滅亡を救うためにアメリカ合衆国大統領が発動した
「ネメシス作戦」でした。

一方遠い日本では、普通の大学生・古賀研人が
父の葬儀の時に参列者の新聞記者・菅井から
「ハイズマン・レポート」という耳慣れない話を聞かされていました。

葬儀後、亡くなった父から研人のもとに電子メールが届きます。
死を予見したかのような記述がなされたメールに凍り付く研人。

研人は父の書斎にあった本に挟まった
1枚のキャッシュカードと1枚のメモを発見します。

内容は
本とメモは処分しろ
黒いノートパソコンを保管し誰にも渡さないこと
500万円入ったキャッシュカード
町田市にあるアパートの住所と鍵
全てのメールや電話は盗聴されているから用心しろという警告。

不審ながらも町田のアパートを訪ねると
さながら小さな研究室のような部屋に驚きを隠せない研人。

「自分の研究を引き継いでGPCRの作動薬を創薬しろ。
危険なら投げ出しても構わない。期日は2月28日」

残された謎のメーッセージとパソコンに入ったGIFTという
極めて高度な創薬ソフト。

研人は韓国人留学生・李正勲とともにソフトを解読していきます。

やがて警察の手が及び危機一髪逃げ出した研人は
日本政府をも巻き込んだ重大な事件に自分がまきこまれたことを痛感します。


読後感想


遠いアフリカの僻地と日本。

物語は遠い二人の主人公の話が同時進行で進められていき
一見何も関係ないように見えますが
二人の主人公はやがて驚愕の事実を知ることになるのです。


読んでいる間ずっとドキドキしていました。

本当にハリウッド映画のようなスケール感

途中、気分が悪くなるような虐殺シーンもありますが
読むのを止められなくなります。

アキリという物語のカギを握る
「これまで見たこともない生物」が出て来た時が
マックス気持ち悪い(笑)

SFのようでありながら、実際にあり得ると考えさせられる
鳥肌が立つような怖さもあります。

ある意味ホラーより怖い話

勇気のある方は是非手に取ってくださいませ。